CROSS TALK

研修担当者座談会

時代に即した研修体制を追求し、
改善と進化に向き合う環境が
若手社員の成長スピードを加速させる。

早い時期から若手に活躍する機会を与えることで、その成長を後押しする――それがOHDの人材育成の基本スタンスだ。しかし、単に現場に投げ込むわけではない。設計・施工には、それぞれに必要な技術的スキル、お客様対応力などが求められる。それらを習得する、OHD独自の研修のあり方を、担当する3人のマネージャーに語ってもらった。

PROFILE

Naruhito Nitta

建設事業部 建設部 建売設計第1グループ 部長代理
2006年入社/工学部建築学科卒

Ryo Isogawa

建設事業部 建設部 施行企画課 課長
2010年入社/高等専門学校卒

Takuya Sato

建設事業部 建設部 注文設計第1グループ 次長
2014年入社/都市環境科学研究科建築学域修了

CROSS TALK 01
注文設計、建売設計、施工管理。
より満足いただける家を提供するために。

ご自身の役割と、現在取り組んでいる仕事内容を教えてください。

佐藤

注文設計グループの責任者として、満足度の高い注文住宅を、多くのお客様に早く正確にご提供することをミッションとしています。志の高い社員が志の高いままに仕事に取り組めるチームづくりも自分の役割。また、グループは常に80~100組のお客様を抱えており、すべてのお客様の図面チェックや進捗管理、売上拡大に向けた仕組みづくりにも取り組んでいます。

新田

建売設計グループは、注文設計と異なり最初からお客様は存在しません。見えないお客様に対して、「お客様が住みたい」と感じられる土地に、付加価値の高い住宅を設計するチームを創り上げるのが自身の役割と自覚しています。今力を入れているのは「街並み」の創造。数棟建て以上の建築が可能なエリアであれば、テーマ性を持った街並みを創造したいと考えています。オープンハウスの「街並み」を全国に浸透させる、それが目標です。

五十川

私は元々実際にモノづくりに携わりたいと考え、施工現場を志望して入社しました。これまで数多くの現場を経験してきましたが、現在は、現場からの意見や課題を拾い、検討・改善案を立案、それらを社内ルール化することで、お客様へより品質の高い住宅を提供する役割を担っています。そのため、施工サイドのマニュアル整備や検討、設計・施工からの相談受付等に加え、施工現場配属の新入社員に対し、教育研修プログラムを組み、実行するなど、新人の育成も担当しています。

CROSS TALK 02
実践を重視した若手研修の取り組み。
現場で培われる技術力、お客様対応力。

OHDにおける社内研修制度の特徴を教えてください。

新田

オープンハウスグループは、元々実践重視の会社ですが、建売設計の場合は特に実践が重要です。カギとなるのは、仕入れた土地にどのような住宅を建てるかというプランニング力。しかし、いきなり現場に投げ込んでも、新人は戸惑うだけです。そこで新入社員は、まずはプランニングの訓練を行います。ある敷地を示して時間内にプランを検討させ図面化させる。これを徹底して繰り返していくのです。これは「プラン道場」や「ゾーニング研修」と呼ばれているもので、それによってプランニング力のみならず、提案力や表現力等を鍛えることができます。

佐藤

そのような訓練、研修を経て、建売設計では、どの段階になれば担当を持って、独り立ちすることになるのですか?

新田

我々マネージャーが評価して、一定の基準をクリアしていると判断すれば、早ければ入社1~2ヶ月目で担当を持つことになります。一方、座学も重要。基本的な設計マニュアルや法規等も知識として知らなければならない。学んだことを実務で実践することを繰り返して、設計士としての成長を促しています。注文設計はどうですか?

佐藤

実践ありき、というのが教育研修の基本的な考え方で、注文設計もそれは変わりません。ただ注文設計の場合、単なる設計だけでなくお客様対応も担う「営業設計」であることが特徴。そのためOJTに比重を置いています。基本的な設計スキルは建売設計同様に座学で行いますが、お客様対応力を養うのは現場しかありません。そのため新入社員は先輩とお客様との打ち合わせに同行し、お客様対応力とその際に必要とされる知識を吸収していきます。

五十川

新田さんが担当する建売設計では、プランニングのスキルに比重を置いて評価し、担当を持つことになるわけですね。つまり独り立ち。佐藤さんの注文設計では、新人は早い時期からお客様の前に立つと聞いていますが。

佐藤

かつては、早い時期に一人でお客様対応という実践を積むことが重視されていましたが、能力によって成長にばらつきが生まれますし、新人では負荷が大き過ぎます。確かに入社1ヶ月目からお客様と接することになりますが、それはショールームの案内などの接客から始まります。注文設計グループには「新人育成半年計画」というものがあり、入社半年の9月までには、一通りのお客様対応スキル、それに伴う設計スキルを身に付けてもらうことを新人育成の目標としています。

新田

我々の図面に基づいて実際に住宅をつくるのは、五十川さんたちの施工管理部門になりますね。先ほど、新人教育の担当と言っていましたが、どのような取り組みなのでしょうか。

五十川

半年間で一人前にする「教育研修プログラム」を組み、それを実践していくのが基本です。建築に関する知識は座学で行いますが、重要なのは設計同様に実践であり、私たちの仕事でいえば現場を知ること。現場へ行って自分の目で見て、経験することを軸としたプログラムを策定しています。施工管理は、工程や品質、安全等の管理をすることになりますが、それを実際どう行うかは現場でしか理解できないものです。

佐藤

施工管理の技術やスキルを養うことが、品質の高い家を提供することに繋がっていくと思いますが、現場監督に求められるのは技術やスキルだけではないですよね。

五十川

おっしゃる通り。私たちは優れた現場監督を育てることがミッションの一つですが、現場監督は設計士をはじめとした社内関係者だけでなく、お客様、実際に工事を担当する各分野の職人など、様々な工事関係者の間に立って、現場を円滑に進捗させねばなりません。そのためには、人と良好な関係性を構築する人間力のようなものも必要になってきます。そうした人間性を磨くような研修も、今後追求していきたいと考えています。

CROSS TALK 03
一層の成長を促すために求められることとは。
着実に実務に活かし、成長を実感できる研修を。

現在の研修における課題を何でしょうか。

佐藤

時代によって、若い人の考えや心情も変化しています。最近の傾向として感じるのは、みんな優秀である一方で均質化している印象を受けます。元々、OHDに限らずオープンハウスグループには、個々人が切磋琢磨して競争する文化があります。誰が一番なのかを明確にする。だから「新人賞」というものもある。研修の中に、もっと個人同士が競い合う要素があってもいいと思いますね。

五十川

それは施工の世界でも感じます。新人みんなが同じ気持ち、同じ考えに落ち着いてしまうから、文字通り、単に業務を学ぶ勉強する世界になってしまうもどかしさを感じます。もっと楽しく、ワイワイできる研修プログラムをつくりたい。施工管理の場合、単に知識だけで現場を回すことができません。「段取り8分」と言われるように、工程、天候、職人など工事を取り巻く状況を的確に把握した事前準備が仕事の要になります。その仕事のダイナミズムを伝えたいですね。

新田

五十川さんがおっしゃるように、単に業務を覚えてもらうだけの研修を変えていきたいと思いますね。建売分譲住宅は、上流では用地仕入れがあり、我々の設計があり、五十川さんらのものづくりの現場があり、そして下流において営業担当による販売があるわけです。私たちは直接お客様と接しませんが、この建売分譲住宅ビジネスの一連の流れを、研修等を通じて興味を持たせる必要があると思っています。担当する設計だけを向いていると、自己満足に陥ってしまう。全体を俯瞰し理解することが、設計士としての厚み、深さを身に付けていくことに繋がっていくと思っています。

今後、求められる研修制度のあり方についてお聞かせ下さい。

五十川

それぞれの個性や個人の意思、考えをもっと引き出し、主張すると叩かれるのではなく、意見を発信することを褒められる環境であることが大切だと思っています。それがモチベーションに繋がります。そしてより専門的な知識・スキルを深めることで、お客様の要望に対して臨機応変に対応できる、そんな人材を育てる研修制度が必要だと感じていますし、それを実現するプログラムを検討し、実行していきたいですね。制度だけでなく、本人の負けん気やひたむきさ、意地のようなものを引き出す仕組みも必要だと考えています。

佐藤

同感です。今、自分がどの位置なのか、研修で学んだことがどう実務に繋がるのか、行き着く先がわからないと努力が持続しない新人が増えたように感じます。結果がすぐに出ずに回り道ばかりだと不安を抱える傾向もある。だから教育研修のあり方も、盲目的に取り組ませるような仕組みでなく、実務にどう活きるかということを伝えていく必要があると思っています。

新田

私も佐藤さんの認識と同様です。今の若い世代は、スキルの習得状況や自身の成長度合いをとても気にする傾向があります。実践重視の研修は今後も継続していきたいと考えていますが、それと並行して自身の成長度合いの「見える化」を可能とする研修を目指したいと考えています。

CROSS TALK 04
前を向いてチームで戦う大切さ。
「やる気」「やれる気」で日本一の設計集団へ。

最後に、本気で建築会社日本一を目指すことへの想いをお聞かせください。

五十川

今、世の中全体が後ろ向きになっていると思います。その中で、オープンハウスグループは前を向いて歩いている集団。そして個の成長に加えて、チームで戦っているという気持ちが、本気で建築会社日本一を目指すことに繋がっていくと思っています。その中で前を走れるように尽力していきたいですし、仲間のため、人のためにという「利他の精神」を大切にしていきたいと考えています。

新田

ある大手不動産会社が展開し、多くのお客様から支持されている「街並み」があります。この街並みに負けない付加価値の高い街並みを実現する、日本一の設計集団をつくりたいですね。そのためには、メンバーの「やる気」「やれる気」が大事。その根底に必要なのは、お客様に喜んでいただくものをつくりたいという本気の想いです。そうした設計集団を築いていくことが、日本一へ続いていくと思っています。

佐藤

私たちが「日本一」になった暁に、お客様にも一緒に喜んでいただけるような仕事をしていきたいですね。たとえば「私の住んでいる家は日本一になった会社で設計してもらった」という言葉を、お客様からいただけたら最高です。新田さん同様、我々注文設計においても、日本一の設計集団を目指します。日本一、それは日本一の顧客満足を獲得した証になると思っています。