不動産営業の歩合制を解説。固定給制との違いと平均的な歩合率の相場

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給与と封筒

不動産営業職に対して、「歩合があるから、デキる営業社員なら年収1,000万円以上になることも多い」というイメージを持つ人は少なくありません。実際のところ、不動産営業職の歩合給制はどのような仕組みになっているのでしょうか。

今回は、不動産業界における歩合給制について解説します。

不動産営業の歩合給制とは

歩合給制と固定給制は、制度としてどのように違うのでしょうか。また、歩合給制における給与はどのような計算で決まるのでしょうか。

歩合給制とインセンティブ

歩合給制は、売上に応じて賃金が決まる制度のことを指します。また、歩合給制とともによく目にする「インセンティブ」も、目標を達成した際に与えられる報奨金という意味で使用されるため、ほぼ同義であると考えて良いでしょう。

一方で固定給制は、一定時間(期間)の労働に応じた賃金が固定的な制度のことを指します。一般的には、基本給の部分と諸手当の部分に分かれています。

不動産業界は、扱う商品が高額で、営業社員ごとの売上の差が大きいため、歩合給制を採用している企業が一定数あります。歩合給と固定給を組み合わせているケースもあり、以下の3つに分類することができます。

  • 完全固定給
  • 固定給プラス歩合給
  • 歩合給のみ(フルコミッション)

固定給と歩合給を組み合わせているケースでは、一定の固定給(最低保証)に、売上に応じて変動する歩合給が上乗せされるため、モチベーションを高めやすいという利点と、もし目標を達成できなくても賃金がある安心感との両方を得ることができます。

不動産業界の営業職の仕事

不動産業界の営業職は、扱うものや行う事業により、営業の仕事も多様です。例えば、以下のような仕事があります。

  1. 土地・建物の仕入・販売
  2. 不動産売買仲介の業務
  3. 不動産の企画・開発業務
  4. 投資用不動産の売買や仲介の業務

不動産会社では、土地や建物などの不動産を直接仕入れたり販売したりする業務や、お客様が所有する不動産を第三者に仲介する事業を主力とすることが多いようです。

不動産の企画・開発業務については、ディベロッパー企業が該当します。

投資用不動産については、投資アドバイザー的役割も担う仕事です。不動産投資では株式相場や経済、相続等の知識も必須となり、顧客のライフプラン設計にも携わる仕事です。

完全歩合(フルコミッション)制とは

不動産業界では、賃金のすべてが歩合である「フルコミッション制」という制度もあります。どのような給与体系なのでしょうか。

フルコミッション制とは

フルコミッション制は、賃金の100%が成功報酬であり、固定給の部分のない給与制度です。不動産業界のほか、保険や自動車販売業界でも導入されている制度であり、企業によっては稼いだ利益の40%~50%が歩合となるケースもあります。

厳しい働き方だと考えられがちですが、副業・兼業での就労も可能なこともあるので、安定的な収入を得ながら、不動産のフルコミッション制で働く人もいるようです。業務委託社員として勤務するパターンや、独立開業するパターンもあり、成績によっては高収入を狙えます。

フルコミッション制の報酬はどのくらい?

大きな契約をまとめることができるのならば、年齢に関係なく高額な報酬を得ることも可能です。

例えば、5,000万円の不動産を片手取引で1つ仲介すると、仲介手数料は156万円(約3%)です。フルコミッションの取り分が半分だった場合には75万円が報酬です。同様に毎月1件ペースで受注し続けると仮定したら、1ヶ月の報酬額は、75万円×12ヶ月で900万円です。

また、オフィスビルや商業施設、事業用地を扱うような会社では取引額が億単位となることも珍しくなく、仲介手数料も1契約で数千万円単位になることもあります。

ただし、成果がきっちり反映される反面、契約が取れない時期は収入が不安定になる可能性があるので、自身の適性はきちんと見極めておきたいところです。

不動産会社にとってのフルコミッション制度

フルコミッション制は企業にもメリットのある給与体系です。数字を挙げられる営業社員へ重点的に利益還元することができるため、優秀な人材のモチベーションとなって、さらに売上を伸ばすという好循環を生むからです。

また、受注件数が多ければ営業社員に支払う金額も大きくなりますが、逆に売上がなければ報酬を支払わなくても良いためリスクを負わずに済むというメリットもあります。

不動産業界での歩合率の相場とは

歩合率とは、売上金額に対する歩合金額の割合のことを指します。歩合給と固定給の比率のことを指すケースもあるようですが、ここでは、対売上の意味で説明します。

不動産営業社員の歩合率

一般的には、固定給の金額が大きく設定されていれば歩合率は低くなる傾向にあります。つまり、フルコミッションの場合がもっとも歩合率が高くなりやすいということです。

しかし、歩合率は会社によって高低があります。そこで、現在公開されている求人の募集要項を調べてみました。

  • A社 固定給25万円プラス歩合給10%
  • B社 固定給20万円プラス歩合給15%
  • C社 固定給15万円プラス歩合給20%
  • D社 固定給0円プラス歩合給30%

やはり、固定給が高いと歩合率は低く、固定給が低いと歩合率が高い傾向にあります。

不動産仲介の歩合率

不動産仲介では、お客様は複数の不動産会社に相談をしている可能性が高く、成約にいたらないことが多くあります。また、他社との差別化が難しい分野でもあるため、歩合率を高めに設定しているケースが多いようです。

ただし、仲介は案件数が多いため、成績を伸ばすコツもつかみやすいともいわれています。経験次第では、高額な歩合給を得られる可能性があります。

不動産販売の歩合率

不動産を販売する仕事では、物件単価が上がるほど歩合率が高くなることが多く、また、平均して単価が3,000万円であった場合でも、販売数によって歩合率が変動することもあります。

また、企業の規模によっても歩合率の設定に差があるケースも見られます。具体的な例で紹介します。

◇大手の建売住宅販売会社の場合

大手販売会社の場合は、企業のブランド力が営業活動で有利に働くことが多いため、固定給を高めに設定し、歩合率を低く設定しているケースがあります。金額が大きくないため、数万円の成果報酬を毎月の給与に上乗せせず、賞与としてまとめて支給する会社もあるようです。

◇中小の販売会社の場合

一方、中小の販売会社は自社のブランド力を使って販売することが難しいことも多いため、歩合比率が高く設定している傾向にあります。

不動産営業の歩合・インセンティブ計算例

今回は、歩合給のみの計算例を紹介します。実際には、固定給プラス歩合給であれば、売上を伸ばせない月があっても賃金がゼロになることはありません。

不動産仲介の歩合・インセンティブの例

営業社員の歩合・インセンティブは、営業成果に基づ単純な計算を行う会社もあれば、ノルマとされている目標数字を超えた場合にインセンティブが追加されるケースもあります。

実際の数字を使って、いくつかのパターンをみていきましょう。

【例1】歩合率15%、ノルマ120万円達成でプラス5%の場合

仲介手数料による売上実績が100万円なら、100万円×15%=歩合給15万円

仲介手数料による売上実績が120万円なら、120万円×(15%+5%)=歩合給24万円

【例2】仲介手数料が上がるにつれて、段階的に歩合率が上がる場合

売上 歩合率
90万円以上 10%
120万円以上 15%
150万円以上 20%

仲介手数料の平均単価を約15万円とすると、

月に6契約(90万円)→歩合給9万円

月に8契約(120万円)→歩合給18万円

月に10契約(150万円)→歩合給30万円

【例3】ノルマを超えた金額に応じて歩合給が設定されている場合

月間のノルマが100万円、下回る場合は歩合無し、100万円超で歩合率50%の場合

90万円→歩合給なし

120万円→(120万円 – 100万円)× 50% =歩合給10万円

固定給と歩合給については会社独自の設定となるため、目標数字も転職の際には確認をしておいたほうが良いでしょう。

不動産販売の歩合給・インセンティブの例

不動産を販売する場合は、1回の取引で取り扱う金額も大きく、利益部分も大きいため、仮に歩合率が低くても大きな歩合給につながりやすいといえます。

バブル期であれば、販売利益に対する歩合率が10%以上であることも多かったですが、今は2~3%程度という声もあります。

1件当たりの
販売利益
歩合率
(企業により異なる)
歩合給
3,000万円 3% 約90万円
5,000万円 3% 約150万円

金額は大きいですが、不動産という高額な商品の営業のため、月に何件も成約させたり、安定的に成果を出し続けたりすることは決して容易ではありません

歩合給制と固定給制、それぞれのメリット

歩合給制と固定給制は、それぞれにどのようなメリットがあるのでしょうか。

歩合給制のメリット

不動産営業の歩合給制の最大のメリットは、成果次第で大きなリターンを得られる点といえます。勤続年数や学歴にかかわらず高収入を目指せる可能性があり、ノルマ達成や実績が給与として還元され、納得感のある働き方ができる点も大きなポイントとなるでしょう。

プレッシャーはありますが、転職の理由としてよくある「頑張りが給与に反映されない」「たいして仕事をしない職員と給与が同じ」「中高年や管理職が高給を受け取っている」という不満が大きい人には良いのかもしれません。

また、企業としても、高額商品を扱う不動産営業の難しさを踏まえた給与体系を導入していることもあります。入社直後は成果を出しづらい点を考慮して、入社から一定期間は別の給与体系を設定していたり、一定の手当を設定しているケースもあるようです。

固定給制のメリット

固定給ならば、毎月の成績によって収入が不安定になることはありません。成果が出なくても最低限の賃金が保証されている点はメリットです。

理想は、高い固定給で安定した収入を得ることでしょう。固定給とはいえ、賞与や、昇進すれば役職手当も期待できます。モチベーションを高く持ち、成果を伸ばすことができれば高収入を期待できます。

歩合給・インセンティブの注意点

歩合給制の場合には大きなリスクや注意点もあります。

不動産需要次第では、売上も上下します。また、必ず契約意欲があるお客様の担当になり続けられるとも限りません。さらに、ノルマを達成できない場合に規定の給与からの減額を設定している会社もあります。

転職の際には、歩合・インセンティブの負の側面についてもしっかり確認していくことが大切だといえます。

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創業16年で東証一部上場。拡大後も驚異の成長率を維持

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