高度なスキルと強い意志で、データを自社ビジネスの“価値”へと変える

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鄭 秉謨氏

オープンハウスグループには、様々な専門領域を担うグループが存在しています。各グループごとにどのような業務を行なっているのか、代表者に話を聞いてみました。

情報システム部 データアナリティクスグループ
2020年中途入社
上席課長
鄭 秉謨Byongmo Jon

韓国出身。2003年に来日し、病院の電子カルテや再生医療のベンチャー企業の基幹システム、メディカル系のマーケティングシステムなどを構築・運用し、最先端(再生)医療をより広め、QOL向上に貢献。前職ではベンチャー企業のCTOとして関連システム全般を担当。より広範囲な分野でお客様の満足や喜びに貢献すべく、不動産業界への挑戦として2020年に当社へ入社。
趣味はフルマラソンでホノルルマラソンや富士山マラソンなど9度完走。

※役職は2024年10月時点のものになります。

多種多様なデータを、ビジネス的な価値へと変えていく

データアナリティクスグループのミッションについて教えてください。

オープンハウスグループでは、グループ全体で年間1万棟を超える不動産取引を行っています。
トランザクション数は、他の業界に比べて、そこまで大きなものではないかもしれません。しかし、不動産のデータの特徴として、1つの物件に関する取引とそれに伴うデータが非常に複雑かつ膨大に発生しており、掛け算で総面積を見ると、仕入から建設・販売・アフターサービスまで、とても多くのビッグデータを保持しています。

例えば、契約情報や仕入・販売情報はもちろんのこと、取引先不動産業者情報、謄本情報、地図情報、設計図や間取など各種図面、現場写真画像データ、メールやチャットのテキストデータなど多岐に渡ります。これらのデータをビジネス的な“価値”に変えていくことが、私たちデータアナリティクスグループのミッションです。

オープンハウスグループが保有する全てのデータをDWH(データウェアハウス)に集約し、それを経営判断に活かしやすい形で可視化したり(ビジネス・インテリジェンス)、過去のデータから機械学習モデルを構築し、将来の需要や価格、購入可能性などを予測しています。
手段とそのために用いるテクノロジーは様々ですが、今後も『データをビジネスの価値に』を追求していきます。

具体的な業務内容について教えてください。

大きく分けて3つの業務に取り組んでいます。

●DWH関連
・自社業務システム及び外部(SaaS)システムからETL(データの抽出、変換、ロード)経由でデータウェアハウス(Google BigQuery)にデータ集約、等

●データ活用支援
・経営判断にも用いるBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールを全社的に提供、等
・データを統計学的な分析をし、効果測定を提供(ダッシュボード/レポート)、等
・複数システムのデータを組み合わせ、業務効率化を図れるアプリを提供、等

●AI関連
・画像解析を行い、今まで人が目で見て仕分けや収集をしていた業務の自動化、等

データを扱う高度なスキルはもちろん、ビジネス的なスキルも重要

データアナリティクスグループで身に付くスキルについて教えてください。

データを収集する仕組み作りから、主にクラウド上でのデータ収集基盤、可視化、分析、機械学習・予測モデル構築まで、幅広いスキルが必要とされますし、身に着けることができます。

具体的に身に付くテクニカルスキルや求められるスキルセットとしては、以下のようなものが挙げられます。

・データベース…主にMySQL, PostgreSQLが中心 稀にOracle, SQL Server
・クラウド…AWS/GCP、 アプリケーションインフラ…IaaS: EC2/GCE, PaaS: lambda/GCF, GASなど
・分析・機械学習…言語はほぼPython、各種機械学習ライブラリ…Pandas, NumPy, XGBoost、深層学習ライブラリ…Keras/Tensorflow等
・データ収集のためのクローリング、スクレイピング …seleniumやbeautifulsoop等
・非構造化データ処理…自然言語処理:mecab/gensim等、画像処理:OpenCVやpillow等
・Webアプリケーションフレームワーク …Django等
・BI …DOMO, Looker Studio等

また、実際に各事業部やユーザーとなる社員とコミュニケーションを取りながら、現場に近い距離感で企画立案・開発運用を行っているため、コミュニケーション能力や課題解決スキルといったベーシックスキルはもちろん、不動産関連の知識まで、幅広いビジネススキルと自社事業に関する知見も求められます。

データアナリティクスグループで働くメリットを教えてください。

データのオーナーであり、同時にデータの分析者でもあることが、最大の魅力です。

日本の非IT系事業会社の多くが、自社の中にテクノロジーを理解したエンジニアやデータサイエンティストを抱えていません。そのため、データオーナーである事業会社が、分析・コンサルティングパートナーである第3者にデータを貸与・分析を依頼する、というケースがほとんどです。

しかしそのような体制では、どうしても会社・組織の壁、双方の思惑の違いや情報セキュリティの観点から、スムーズに利活用が進まなかったり、活用の範囲が局所的限定的になる課題があり、データの利活用は進んでいない会社が多いのが実態です。

その点、オープンハウスグループは社内にデータのチームがあり、そのメンバーがテクノロジーと不動産ビジネスの両方を理解し、データを集めてくるところからデータを活用するところまで、一貫して取り組んでいることが強みです。ビジネスの成長に直結するような重要なデータ収集施策を、ビジネスのゴールから逆算して、自ら立案・実行することもできますし、足りないデータがあるなら、その不足データを収集する仕組みそのものを自分の手で作ってしまうことも可能です。

主体性と裁量を持ってデータ分析に取り組める点は、データエンジニアとしてのキャリア構築を考える上でも、大きなメリットになると思います。

自分の可能性を狭めず、データを価値に変える強い意志が大切

今後のデータアナリティクスグループの目標について教えてください。

データ基盤からBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールを通じて、データ利活用が全社的に身近なものになってきました。

個別の論点として、データエンジニアの分野では今後さらに増えていくデータをきちんと集約し、入口となるアプリ開発サイドとも協力して収集するデータ自体の精度も上げていきたいですし、事業的な観点と組み合わせのデータ分析のみならず、生成AI(アーティフィシャル インテリジェンス)を積極的に導入し未来予測とともに会社の成長に貢献していきたいです。

また、現状は一部の機械学習による業務効率化への活用に留まっていますが、市場の変化への対応、経営上の課題解決、さらには営業活動への効果的な支援等、まだまだやれていない領域に踏み込んでいきたいです。

最後に、どのような人がデータアナリティクスグループに向いていると思いますか。

大きく、以下の2つのマインドを持った方を歓迎したいです。

1つ目は、データの価値を理解し、ビジネスの価値に変えようという強い志と行動力がある人。データをただ保持しているだけでは、1円の価値にもなりません。ビジネスに役立つ形に変えてこそ、初めて意味があります。一方、このデータのアウトプットの方法には正解はなく、手探りで探していかなければなりません。可視化や予測により、ビジネスのエンハンスに大きなインパクトのある価値に変換する事ができる可能性がある一方、なかなか思うようなアウトプットが出ず、苦しい場面も多々あります。それでもくじけず、「価値を生み出そう」という確固たる意思を持って、トライアンドエラーを繰り返せる人を歓迎します。

2つ目は、泥臭い仕事にも高いモチベーションを持って取り組める人。データ分析は一見、華やかでスマートな仕事に見えますが、実際は分析にいきつくためのデータ収集から、分析しやすい形への加工・クレンジング処理まで、地道で泥臭い業務も伴うものです。テクノロジーは日々進化していますが、こうした泥臭さはなくなることはありませんので、それを苦としない姿勢も大切です。

「自分の役割はここまで」と決めつけず、自ら率先して業務を遂行・開拓し、データを価値化する環境を整えていく。その過程自体に楽しさを見出せる方は、データアナリティクスグループにフィットすると思います。