データ分析は、泥臭い。だからこそ、
事業理解とやり切る力が試される

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中川 剛志氏

オープンハウスグループには、様々な専門領域を担うグループが存在しています。各グループごとにどのような業務を行なっているのか、代表者に話を聞いてみました。

マーケティング本部 デジタル戦略グループ
2021年中途入社
課長
中川 剛志Tsuyoshi Nakagawa

福井県出身。大学在学時に起業し、フリーランスを経て、地元のインターネット回線販売会社でWebサイト運用に従事。2021年10月にオープンハウスグループへの入社をきっかけに上京。現在は、デジタル戦略グループ長として、マーケティング領域におけるデータ資産活用を行う。Geminiをはじめとする生成AIの業務レベルでの導入や啓蒙活動も積極的に推進。座右の銘は「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」。

※役職は2025年10月時点のものになります。

「データ活用」と「業務効率化」の両輪で、会社の成長に貢献する

– デジタル戦略のミッションについて教えてください。

デジタル戦略のミッションは、データウェアハウスからデータを抽出し可視化してマーケティング活動に活用することと、生成AIを活用して業務を効率化することです。

データを可視化するだけでなく、ユーザーの購買意欲が一番高いタイミングをデータから導き出し、集客や営業活動に役立てることで、成約率の向上、つまりは売上に直結する施策を推進しています。ただし、売上を意識する上で販管費も無視できないため、生成AIも活用して業務の効率化(少数でのオペレーション)も行っています。

−具体的な業務内容について教えてください。

自社業務システムや外部システムからETL(データの抽出、変換、ロード)経由でデータウェアハウス(Google BigQuery)にデータが集約されているため、このデータマート領域の資産を活用することが主な業務です。

Looker StudioなどのBIツールでデータを可視化した上で、マーケティング本部内の各事業部責任者と連携し、施策改善に貢献しています。データを客観的に読み解く力や、統計学を駆使して数字の整合性を確認することも重要です。また、そのデータが本当に意図したものになっているかを測るには、事業理解が欠かせません。データ分析という一つの閉ざされた領域に留まらず、各事業のKPIと事業課題を把握することにも努めています。
その他にも、生成AIの積極的な活用も行っています。Geminiなどのマルチモーダル対応のLLMを活用することで、これまで人力で処理することが当たり前になっていた業務を自動化しています。

生成AIは強力な効率化の手段となる一方、ハルシネーションが発生した際のリスクや責任の所在についての考慮が非常に重要です。リスクも踏まえた上で、期待値を調整しつつ、工数をかけずに最速で構築を完了させ、業務効率化をどれだけ進めることができるかが今後の課題となります。

最先端テクノロジーも積極的に導入。
大手企業にはない「攻めの姿勢」で、事業課題に向き合ったデータ分析に挑戦できる

– デジタル戦略で身に付くスキルについて教えてください。

データ資産の加工・抽出・可視化のスキルと、生成AIの実務レベルでの導入スキルが身につきます。

Looker StudioなどBIツールで可視化する際にはSQLでの実装だけでなく、どういったデータをなぜ表示するのか、どうデータを抽出するのかの調査やヒアリングも行うため、要件定義の能力も求められます。
生成AIに関しては、業務に導入する際に既存の業務フローの理解が必要です。

要件定義も身につきますが、生成AIの特性とプロンプトエンジニアリングの知識が必要なため、それらの知識と実装レベルでの経験も身につく環境です。

– デジタル戦略で働くメリットを教えてください。

この仕事の一番の魅力は、自社の各事業の数字の流れをデータの流れと合わせて知ることができることです。

ほとんどの企業がデータ分析人材の不足により、分析を外部に委託する中、オープンハウスグループではインハウスで分析を行っています。外部に委託した場合、事業課題に真に向き合った分析ができるかは不透明ですし、人材の育成や自身のキャリアメイクも閉ざされてしまいます。
各事業のビジネスロジックを理解した上で、データの流れをたどり可視化することで、真に事業課題に向き合ったデータ分析ができる環境が、オープンハウスグループ内部にあることが最大のメリットだと感じています。

また、生成AIのような最先端テクノロジーを業務で活用することにも積極的です。大企業であればあるほど、最新テクノロジーの導入は及び腰になりがちですが、オープンハウスグループではむしろ積極的な姿勢であることも強みだと思います。

人材育成と最新技術の活用。未来を見据えた挑戦を先頭に立って推進していく

– 今後のデジタル戦略の目標について教えてください。

データ分析人材の育成と、生成AIのさらなる導入です。

前述した通り、データ分析人材は他社でも不足している状態です。データ分析人材の育成は急務であるのと同時に、ビッグデータの裏に隠れている潜在的な課題を発掘していく必要があります。
また、既存業務を見直し、生成AIなどを駆使し少人数でも今と同じかそれ以上のパフォーマンスが発揮できるように自動化も進めていきます。

日本の人口が減っていく中、人材の獲得はさらに難しくなります。人材の育成と合わせて、業務の自動化も行うことで、本当に注力すべきこと、人が手を動かしてやらなければならないところに人的リソースを充てられる環境を整えていきたいと思います。

– 最後に、どのような人がデジタル戦略に向いていると思いますか。

大きく2つあります。

1つ目は、「やれるまでやる人」です。データの抽出・加工、そして分析をしていく過程は、想像しているものよりもはるかに泥臭いです。
データ同士を繋ぎこむ際には、そのデータが誰によって、どこで、どういう意図で入力されているのかを調査する必要があります。また、データ同士を繋ぎ合わせた上で、現場レベルの人たちから見て違和感がないかを見極めるには多大な労力が必要です。なかなか成果に結びつかずくじけそうになることもありますが、そんな中でもやり切れる人を歓迎したいです。

2つ目は、「先入観がない人」です。データ分析や生成AIの活用で障害となるのは、人の思い込みです。
データを収集し加工する過程において、先入観から分析対象とすべきものを除外してしまったり、統計的アプローチを取らずに先入観で判断し、誤った判断をしてしまう危険性があります。

生成AIに関しても同様で、「AIはまだまだ使えない」と思い込んでしまうのではなく、各種生成AIがどのような特性を持っているかを把握した上で、どのように業務に組み込めば生産性を発揮できるかを客観的に判断できる方が望ましいです。