「法務」という立場から、不動産業界日本一を目指す成長企業を支えるやりがいと醍醐味

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中野 雅俊氏

オープンハウスグループには、様々な専門領域を担うグループが存在しています。各グループごとにどのような業務を行なっているのか、代表者に話を聞いてみました。

法務部
2023年中途入社
課長
中野 雅俊Masatoshi Nakano

青森県出身。早稲田大学社会科学部卒業後、素材メーカーへ入社。その後、京都大学大学院を経て、2017年司法試験に合格。約5年間、主に金融・不動産案件を手掛ける弁護士事務所で勤務した後、2023年6月にオープンハウスグループ法務部へ課長職として入社。現在は子会社の法務責任者も兼務。

※役職は2024年4月時点のものになります。

法務の観点から、オープンハウスグループの成長を支える部署

–法務部のミッションを教えてください。

会社全体の目的として「不動産業界日本一」を掲げていますが、その中で我々法務部は、大きく次の2つのミッションを担っています。

1つ目は「会社の利益を保持すること」。高利益率をキープすることが次なる事業投資・人的投資の源泉となり、事業としての良いサイクルも生まれます。その中で法務部は、会社として積み上げた利益を守ることが大きな役割です。例えば、何らかの法的な紛争が発生した場合、必ずコストが発生しますので、各種契約について事前に介入する予防法務の役割は経営においても非常に重要です。また、やむを得ず紛争が生じてしまった場合でも、適切な解決に向けて我々が尽力することで、最終的なコストを大幅に抑えることも可能です。

2つ目が「会社のコンプライアンス体制を整えること」。昨今のステークホルダーは、コンプライアンスを遵守できていない企業を非常に厳しい目でジャッジします。ここ数年を振り返っても、複数の大手企業がコンプライアンス違反により、瞬く間に上場廃止や事業縮小をせざるを得なくなるケースがありました。グループ全体の内部体制を整えてステークホルダーの皆さまに信頼していただくことが、事業規模のさらなる拡大にもつながってきますので、これも法務部の大きなミッションだと考えています。

–具体的な業務内容を教えてください。

法務部の基幹業務として大きく「契約書審査」「法律相談」「紛争対応業務」が挙げられます。

・契約書審査
不動産取引・業務委託・各種合意書等、多くの契約書を作成・レビューします。何気ない契約内容に潜む法的リスクを評価し、必要に応じて修正に向けた助言等も行います。

・法律相談
全社から日々寄せられる法律に関する相談について、事案を聞き取り、関連する条文や判例をリサーチして回答します。単に法律論を述べるだけではなく、具体的にそれをどのように使って事案を解決するのかまで考え、法務に関するマネジメントを行いながら、問題解決まで案件をコントロールできるよう尽力しています。

・紛争対応業務
実際に紛争が発生した場合に、相手方と直接交渉しつつ、必要に応じて外部の法律事務所と連携して戦略を策定し、解決に向けた取り組みを行います。スピーディーな解決が必要になることはもちろん、金銭的に適切な解決も求められるため、迅速な行動と入念な準備が求められます。

成長著しい企業で、高度かつ実践的な法務スキルを身につけられる醍醐味

–法務部で身につけられるスキルについて教えてください。

まずは当然ながら、広範囲の実践的な法律知識を身につけることができます。当社が取り扱っている不動産という商材は、民事系を中心に非常に多くの法令が関わってきます。官公庁や業界団体から発せられる通達や指針など、実務上非常に重視される指標もあり、自然と勉強する機会も多くなりますので、総合的な不動産実務に関する知見が否応なく身につきます。

また、ビジネスの最前線の現場で利害関係を調整する能力も磨かれますし、選択肢を提示するだけではなく、我々が決断を求められるシチュエーションも多くあります。
こうしたビジネスパーソンとしての基礎能力を満遍なく向上させられることは、弁護士事務所で働いている時にはなかなか獲得できなかったスキルだと私自身思います。

さらに当社では、近年発展が目覚ましいリーガルテック分野も意欲的に取り入れていく予定ですので、これまで異分野とされてきた組み合わせから生まれる新たなスキルセットを身につけられる可能性も大いに考えられます。

–法務部で働くメリットを教えてください。

少なくとも2024年現在、法務スキルの希少性は非常に高いと言っても差し支えはないでしょう。これは残念ながら、これまで日本企業全体が法務スキルを有する社員を育成する意識が低かったことの裏返しとも言えます。

しかし、現在は契約の重要性が社会に浸透し、コンプライアンス意識も高まっており、法務の重要性があらためて認識され始めてきています。そんな中で、法務スキルを有する者が少ないということは、それを身につけることさえできればビジネスパーソンとしての価値が飛躍的に高まることを意味します。

特にオープンハウスグループの法務部では、若手の段階からやる気と能力次第で責任のある立場を任されることも多くありますので、他社と比べても格段に早く、より高い次元のスキルを身につけられるメリットがあるでしょう。

会社の成長スピードに追随できる「強い組織」を目指す

–今後の法務部の目標について教えてください。

少し漠然としていますが、我々法務部としては「強い組織となる」ことを目標に掲げます。

まず「強い」という言葉について。これは法務部全体の知識水準の向上という質的な面で、各メンバーがさらなる自己研鑽を積み、成長していくことを意味します。それに加えて、これから更に拡大していく会社規模に追随すべく、充分な人員体制を整える量的な面での成長も、ここに含まれます。

次に「組織となる」という言葉について。現在の法務部では、人員が入れ替わっても常に一定の業務クオリティをキープできるような体制づくりを意識しています。当社に限らず、多くの企業法務部で課題となっていることとして、個人の頭の中にだけ入っている“暗黙知”的な知識や、案件への対処方法が属人化してしまっていることが挙げられます。これらを放置すると、担当者によって対応が異なってしまったり、人員交代が起きた際に混乱が生じたりする事態も想定されます。そのため現在、オープンハウスグループでは法務部に溜まっている知見を言語化し、文書化して整理する動きを急務として進めています。

–最後に、どのような人が法務部に向いていると思いますか。

大前提として、明るく素直な人が、当社の雰囲気には馴染みやすいと思います。

その上で、法務部は専門的な部署になりますので、一定の法知識はやはり必要です。もちろん、業務に必要なすべての知識が頭に入っている必要はありませんが、学ぶことや調べることが苦にならない知識欲は必須です。また、社内社外問わず人とのやり取りが多くなる部署ですので、関係者の懐に飛び込んで事案を把握し、着地点をともに考えるコミュニケーション能力も要求されます。

とはいえ、皆さんが想像する以上に当社の法務部の懐は広いです。個人の特性を組み合わせることによって強さを発揮することは可能ですし、むしろそのような組織にならないといけないと考えています。コツコツと書面を書くのが好きな方も、人と人との関係を上手く調整することが得意な方も、細かい校閲作業が好きな方も、とにかく元気には自信があるという方も、何かしらのセールスポイントがあれば、それを生かせる場面を私たちはつくります。

さまざまな個性を法務部は求めておりますので、興味を持ってくれた方はぜひ一緒に働ければと思います。