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組織を知る

多彩な経歴を持つエンジニアの集合知。オープンハウスの「強さ」を裏側から支える情報システム部の全容に迫る

  • #ビジネス戦略
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オープンハウスのIT化やデジタル活用を推進し、スピーディーな営業活動をサポートする情報システム部。社内インフラの整備から、セキュリティの強化、各事業部に必要なシステムやアプリの開発まで、幅広い業務を担っています。伊藤優さんと神田颯太さんへのインタビュー前編では、情報システム部の全体図や人材の多様さ、ITにおけるオープンハウスの強みについてお聞きしました。
(2023年12月に取材)

記事サマリー

  • 急成長するオープンハウスの事業を「ITの内製化」で裏側から支える
  • さまざまな経歴を持つエンジニアの集合知がシステムに活かされる
  • エンジニア未経験の若手がぐんぐん成長できる環境がある

この記事に登場する人

  • 伊藤優

    2021年、中途入社。インフラ・ネットワークエンジニアとしてキャリアをスタート。ゼネコンの情報システム部を経て、オープンハウスグループに入社。現在は、情報システム部課長として、社内システムのインフラ・ネットワーク・セキュリティの企画から運用までを担っている。

  • 神田颯太

    2019年、新卒入社。営業本部でキャリアをスタートし、2019年に情報システム部へ異動。未経験からシステムを学び、現在はインフラストラクチャグループで社内のデバイス管理やアプリ開発等に携わっている。

オープンハウスのITを一手に担う情報システム部

ーはじめに、情報システム部の業務内容について教えてください。

神田:情報システム部は、アプリケーション、インフラストラクチャー、データアナリティクス、システム企画の4つのグループで構成されています。各事業部で使用するシステムやアプリの開発・運用、社内ネットワークの整備やセキュリティ対策、社員が使用するPCやiPhoneなどデバイス周りの管理など、ITに関するあらゆる業務を担っています。

ー部内の人員構成はどのようになっているのでしょうか。

神田:現時点(2023年12月)で、正社員は36人在籍しています。フリーランスのエンジニアやパートナー企業からの出向、業務委託の方などを含めると、全部で80人ほどの規模になりますね。

伊藤:正社員だけに絞ると、男女比は男性:女性=9:1です。オープンハウスの中では珍しく、ほぼ男性が占める部署となっています。

ーお二人のこれまでのキャリアと、情報システム部における役割についても教えてください。

神田:私は新卒でオープンハウスに入社し、最初は営業本部に配属されました。ITの知識はゼロでしたが、2022年に情報システム部に異動し、現在はアプリケーショングループでPCやスマホなどデバイスの管理、社内インフラに接続するためのアカウントの管理などを担当しています。実務はもちろんのこと、営業経験を活かし、現場の営業マンがなるべく困らないような運用を考えていくことも自分の役割だと思っています。

伊藤:私は、前職ではゼネコンの情報システム部に所属していました。2021年に中途でオープンハウスに入社し、現在は課長として、部内の複数グループを統括しています。具体的にどんな仕事をしているかというと、例えばAWS(Amazon Web Services)やGCP(Google Cloud Platform)などアプリが動く土台となるインフラの設計・運用、全社的なセキュリティ対策の施策立案などが挙げられますね。神田くんのグループが担当しているPCやスマホ、アカウント周りの業務や、ヘルプデスク関連で何か起きたときには、各部署との交渉役として出ていくこともあります。

ー神田さんのように、IT未経験の方が他部署から異動してくるパターンも多いのでしょうか。

神田:私のように、営業本部から異動してきた人も複数人います。そういう人は、異動後にシステムを1から学ぶことになりますね。情報システム部では、以前は新卒を採用していませんでしたが、ここ数年、大学でシステムを学んでいた人や、IT系の活動をしていた人など、システムの知識をある程度備えている人材も採用するようになってきました。

伊藤:現在、部内の6割が中途採用ですが、中途の場合は、他社でSIerやエンジニアとして働いていたなど、ある程度のキャリアが求められます。

伊藤優さん。情報システム部課長として、社内システムのインフラ・ネットワーク・セキュリティの企画から運用までを担っている。

「ITの内製化」でスピード感あるビジネスを支える

ーオープンハウスの情報システム部の、他社にない強みはどういったところにあると思いますか。

伊藤:一番の強みは、「ITの内製化」を徹底している点だと思います。オープンハウスの情報システム部では、基幹系からCRM(顧客情報を管理するシステム)、SFA(営業プロセスを効率化するシステム)まで、営業を支援するシステムやアプリの大部分を自分たちで作り上げています。外部ベンダーの力を借りることなく開発・運用を進めるため、必要なシステムやアプリを短期間で作り上げられますし、バグなどが発生したときもスピーディーに改修できます。

神田:各システムやアプリごとにチームが編成されているので、事業部からの意見をすぐに汲み取り、反映させられる点も強みです。そのように、スピードを意識した対応を心がけているところは、オープンハウスらしさであり、他社にない強みでもあると思います。

ーITを内製化する取り組みは、不動産業界では珍しいのでしょうか。

伊藤:珍しいと思います。不動産業界に限らず、事業会社の情報システム部は、プロジェクトのマネジメントだけ、ベンダーのコントロールだけ、といった立ち位置の場合が多いんです。その点、オープンハウスでは自分たちでシステムを構築できるので、スペシャリストとして活躍したい人にとってもやりがいが大きいのではないでしょうか。

ー神田さんは、営業本部にいらっしゃったときは、何気なくシステムやアプリを使っていたと思います。実際に、ご自身で開発や運用をする立場になって見えてきたことはありますか。

神田:あらゆる状況を想定してシステムを作ってくれたからこそ、便利に使えていたんだと実感しました。また、現場の希望が何でも実現できるわけではないということにも気づきました。理想の形はあるけれど、セキュリティを考えるとできないことも多いので……。エンジニアは、理想との差をどうやって埋めるか日々考えて、開発や運用に取り組んでいます。そういったことを、情報システム部に来て初めて理解しましたね

神田颯太さん。未経験からシステムを学び、社内のデバイス管理やアプリ開発等に携わっている。

宅建の出題アプリを内製し、若手社員をサポート

ー先ほど「ITの内製化」というキーワードが出ましたが、オープンハウスではいつから内製化に取り組み始めたのでしょうか。

伊藤:2014年にDXの推進を本格化し、内製化の方向に大きく舵を切りました。同時に、さまざまなスキルや知識を持ったエンジニアを外部から採用し、ベンダーに頼らなくてもシステムやアプリの構築ができる体制を整えたようです。

ーその体制をさらに強化していくために、今後もさまざまなスキルや知識のある人材が必要ということですね。実際に、部内にはどういったキャリアの方がいらっしゃるのでしょうか。

神田:SIer出身のエンジニアもいますし、事業会社で社内SEをしていた人も。どこか一点に偏っているわけではなく、さまざまなバックボーンを持った人がいますね。だからこそ、集合知が生きることもあります。例えば、デバイスやシステム環境の管理というのはどんな会社にも必要な業務なので、「前の会社ではこうやっていた」などさまざまな意見やアイデアを出し合いながら、最適なやり方を探っていけるんです。

ー中途入社を希望する方に求められる資質や、身につけておいたほうがいいスキルはありますか。

伊藤:マネジメントを担うなら、エンジニアとしてのスキル以外に、ビジネススキルを身につけておくといいと思います。各事業部の営業マンとのやりとりをスムーズに進めるためにも、ビジネススキルは欠かせません。一方で、何かしらの技術の専門性を極めて、スペシャリストとして生きる道もあります。自分がどのような仕事をしたいかによって、身につけておいたほうがいいスキルは変わりますね。

ーなるほど。神田さんのように他部署から異動してきたり、新卒で入社されたりする方は、どのような社内研修を受けるのでしょうか。

伊藤:2カ月間、社内研修を受けてもらいます。座学でシステムの基礎を学ぶような研修もありますし、手を動かして実際にアプリを作ってみるようなものもあります。今年はどんなアプリを作ったんだっけ?

神田:オープンハウスでは、若手のうちに宅地建物取引士(宅建)の取得を目指す人が多いんです。今年(2023年)の新入社員は、その勉強をサポートするために、宅建の問題を出してくれるアプリを開発しました。問題が自動生成されてランダムに出題されるので実力を測れますし、自分が宅建を受けるときにもこういうアプリが欲しかったなと思います。

ーそういったアプリも内製されるんですね。

伊藤:そうですね。大きいシステムから小さいアプリまで内製化を徹底しているため、作業量が多く、スキルの伸びも早いと思います。経験値が早く積めて、若手でも裁量権のある仕事を任せてもらえるのは、オープンハウスのいいところですね。他事業部からの要望に対して、若手社員が「それはできませんが、こういう方法はどうですか?」と提案している姿もよく見ます。

神田:できないことを引き受けると、後で苦しむのは自分なので。できることはできる、できないことはできない、としっかり切り分けて、責任感を持って提案を行なっています。

ー先ほど、伊藤さんが「スペシャリストとして活躍したい人にとってもやりがいが大きい」とおっしゃっていましたが、お二人はどんなときに仕事のやりがいを感じますか。

神田:私はそもそも知識ゼロの状態からスタートしたので、1年前できなかったことができるようになったり、ある程度の規模のプロジェクトを一人で任せてもらったりしたときにやりがいを感じます。現在は、全社的なPC入れ替えのプロジェクトを任されていて、日々奮闘しているところです。

伊藤:前職に比べて、オープンハウスは仕事のスピード感が桁違いです。それは大変な部分でもあるんですが、その波に乗って若手社員がぐんぐん成長していく姿を見ると、やりがいを感じますね。このスピード感があるからこそ、オープンハウスは成長を続けているんだなと実感します。

オープンハウスらしい働き方をITでかなえる

「ITの内製化」にとことんこだわり、オープンハウスらしいスピード感あふれる働き方を支えている情報システム部。今回のインタビューで、神田さんのような未経験の社員から、ITスキルを積んだ中途の社員まで、さまざまな人材が活躍できる部署であることがわかりました。後編では、情報システム部の仕事がオープンハウスのビジネスにどのように結びついているか、その舞台裏に迫ります。