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組織を知る

人材を育てるのは〇〇がツラい?オープンハウスのマネージャー3人によるマネジメント座談会(前編)

  • #マネジメント
  • #働き方
  • #社員座談会

設立当初から、一貫して「成果主義」を掲げるオープンハウス。実力に応じてステップアップの機会が用意され、若手のうちから重要なポジションを任されることも少なくありません。今回は、キャリアの異なるマネージャー3人に集まってもらい、オープンハウスのマネジメントカルチャーや、若手社員に感じることを率直に語っていただきました。前後編に分けてお届けする記事の前編では、自身のマネジメントスタイルや、マネージャーとして難しさ、やりがいを感じる瞬間などについて聞いていきます。
(2024年7月に取材)

記事サマリー

  • オープンハウスでは売上に応じてマネージャーランキングが決まる
  • マネージャー3人が語る自身のマネジメントスタイルとは?
  • 成功体験を経ることで自分に期待ができるようになる

この記事に登場する人

  • 小西啓太

    人材開発部 部長。2011年に新卒入社し、営業本部で12年経験を積み部長に就任。2023年4月より人材開発部へ異動、同年9月より採用チーム全体の統括に従事する。マネジメントスタイルは部下の個性を活かす「尊重タイプ」。

  • 塚本麻渡

    ソリューション事業部 次長。2019年に新卒入社し、ソリューション事業部で法人営業に従事。2年目よりチームを率いるポジションに就任。5年目にはグループ長に就任した。マネジメントスタイルは筋道を立てて指導する「ロジックタイプ」。

  • 飯田未希

    マンション開発事業部 係長。2020年に新卒入社し、マンション開発事業部でマンション販売の営業に従事する。3年目より部下2人を率いるマネージャーに就任。マネジメントスタイルは部下に寄り添って指導する「伴走タイプ」。

四半期に1度の「マネージャーランキング」とは?

―はじめに、皆さんのマネージャーとしての経歴と仕事概要について教えてください

小西:私は2011年に入社し、最初は営業本部に配属されました。マネージャーに昇格したのは3年目。営業部長時代は東京の9支店を統括していて、100人以上の部下を抱えていました。2023年4月から現在所属している人材開発部に異動し、同年9月から新卒採用と中途採用、合わせて40人ほどの部下を見ています。

塚本:私は2019年に入社してから6年間、ソリューション事業部で法人営業に携わってきました。2年目にマネージャー、5年目にはグループ長に昇格し、現在は私を含めて13人のチームを統括しています。実は、先日まで「歴代最年少の営業部長」と言われていたのですが、ついに記録を塗り替えられてしまいました。

小西:誰か1人がタイトルを保持し続けることがないのは、オープンハウスの特徴ですね。どれだけすごいと言われる記録でも、それを抜く人が絶対に現れてくる。

塚本:優秀な若手社員が多く、頼もしい限りです。飯田さんは、昨年マネージャーに昇格されましたよね?

飯田:はい、2023年4月に昇格し、マネージャー歴は約1年半です。2020年に入社してからずっとマンション開発事業部でマンション販売の営業に携わっており、現在は新卒1年目と2年目の2人の部下とともに数字を追っています。

小西:飯田さんは、マネージャー歴は浅いものの、クオーターのマネージャーランキングで1位を獲得していますよね。

―マネージャーランキングとはどのような制度なのでしょうか?

小西:部署内の売上を競うランキングで、プレーヤー、マネージャー、センター長、グループ長など部門ごとにランキング上位の人が表彰されます。飯田さんはマンション開発事業部のマネージャー部門で、2024年1月から3月の3カ月間売上1位を維持し続けたことが評価されての受賞でしたよね。

飯田:オープンハウスはクオーターごとに表彰式があるので、「この3カ月はトップを獲ろう」と目標を設定しやすいんです。私は、プレーヤーとしての期間が長いほうだったので、早くマネージャーに昇格して存在感を示していかなければとちょっと焦っていた部分もあって。女性営業の中でも最も存在価値のある人になりたいと思いながら仕事をしていました。

飯田未希さん。マンション開発事業部 係長。マネジメントスタイルは部下に寄り添って指導する「伴走タイプ」。

ロジック型、尊重型、伴走型…それぞれのマネジメントスタイル

―皆さんは、ご自身のマネジメントスタイルについてどのように分析されていますか?

塚本:私は、よく言えば「ロジックタイプ」です。例えば「今月は気合いを入れていこう」と抽象的に伝えるのではなく、「今月は法人営業グループの中で1番を取るために、1日30人の訪問を目指そう」と具体的な数字を提示してわかりやすく伝える。部内のKPI※が1日15人接触であれば、うちのグループは倍の30人接触を目指す、といった具合ですね。

※KPI(Key Performance Indicator)は、組織が目標に対してどの程度達成しているのかを計測・評価するための指標のこと。日本語では「重要業績評価指標」という。

小西:確かに、最近の若い社員は「なぜその数字を達成する必要があるのか?」を論理的に理解し、行動するための“理由”や“納得感”を重視する傾向にありますね。私がマネージャーに昇格した頃は、部下に対して個別に指示を出すのではなく、全員一斉に同じ指示を出すやり方が一般的でした。でも、今は会社が大きくなったぶん、社員の個性も多様化していて、それぞれ仕事の進め方も課題も違う。私自身も部下と個別に話をする「1対1のマネジメント」スタイルへと変わってきています。

塚本:マネージャーとしては、部下の意見を聞くことも大切ですよね。自分の考えが必ずしも正解ではないと肝に銘じておく。目的は結果を出すことなので、部下の意見のほうが結果につながりやすいと判断すれば、そちらを尊重します。

塚本麻渡さん。ソリューション事業部 次長。マネジメントスタイルは筋道を立てて指導する「ロジックタイプ」。

―なるほど。飯田さんはプレーヤーの期間が長かったということですが、その経験がマネジメントに活かされているところもありますか?

飯田:プレーヤーとして長く経験を積んだぶん、部下と同じ目線に立って考えられるところは、自分の持ち味だと思っています。簡単に言えば「伴走型のマネジメント」ですね。

3年目を迎えた頃、早々に昇進が決まっていく周りと自分を比べて「このままこの仕事を続けていていいのかな」と焦りを感じることがよくありました。それでも、「とにかく次の3カ月を頑張ろう」と前を向いて地道に取り組み続けた結果、大きな成果につながったことがあって。それをきっかけに、ようやく昇格の機会をいただけたんです。

小西:「名プレーヤーは監督に向いていない」とスポーツの世界ではよく言われますが、初めから順調なコースに乗れた人は、人の上に立ったときにうまくマネジメントできないことがあります。なぜなら、うまくいっていない人がどんな壁にぶつかっているかわからないから。それに、年齢やキャリアを重ねてから初めて挫折に直面すると立ち直るまで時間がかかるので、若いうちに悔しさや挫折を経験するのって、実はいいことなんですよね。

やりがいを感じるのは、苦戦していたメンバーが花開いたとき

―マネジメントを行う中で、大変さを感じることや「ここがツラいよ!」と感じていることを教えてください。

飯田:部下をどこまで仕事に向き合わせるか。そして、どのようにやる気を引き出すか。そのあたりのマネジメントの濃淡は難しいですよね。

塚本:今は就活も売り手市場で選択肢も多いですし、苦しくなったときの逃げ道はたくさんありますからね。

飯田:そんな中で、オープンハウスの仕事にフルコミットしたいと思ってもらうためにはどうしたらいいのかと、いつも考えさせられます。私自身、マネージャーになって初めて「かつての上司は、私のやる気を引き出すのに苦労していたんだろうな……」と痛感するようになって。あんまり言い過ぎるとかえってやる気を削ぐことになってしまうし、加減が難しいですよね。

小西:加えて、部下の実力を引き出してあげられていないときは、マネージャーとしてはツラいです。自分の力不足を実感します。というのも、やる気が出ない理由の1つは、本来なら持っているその人の実力が発揮できず、結果が出せていないからだと思うんです。もし他の人が上司だったら今以上の結果を出せているのかも、と考えてしまうことはありますね。

小西啓太さん。人材開発部 部長。マネジメントスタイルは部下の個性を活かす「尊重タイプ」。

―具体的に部下のモチベーションを高めるために、皆さんはどのような工夫をしていますか?

飯田:コミュニケーションを密に取るようにしています。なぜなら、マネジメントもある意味、営業と同じだと思っているからです。私たちが行っているBtoCの営業は、お客さまへのお声がけの回数で結果が180度変わることもあります。同じように部下にもマメに声をかけることで、行動や結果を変えられることもあると思うんです。

塚本:上司との接触頻度が高いほど、些細な言葉が印象に残るんですよね。インパクトのある一言よりも、ふとした瞬間の何気ないアドバイスのほうが心に刺さったり。小西さんはコミュニケーション面で気をつけていることはありますか?

小西:私が意識しているのは、「事実」と「感情」を分けること。メンバーそれぞれが数字を追いかける中で思うような成果が出ないと、どうしても感情的になったり、愚痴や言い訳を口にしたくなったりすることもあると思うんです。上司としてそれはそれで耳を傾けるけど、一方で「でも、事実はどうなの?」と問いかける。昨日の接触件数は何件なのか、できていない理由はどこにあるのか。ファクトを淡々と追っていくと、案外シンプルな解決策が見えてきたりもする。

―マネジメントを行う中で、やりがいを感じるのはどんなときですか?

塚本:部下が結果を出せたときです。特に、苦しい期間が長かった部下が結果を出し、花開いたときは、自分のことのように嬉しくなります。

小西:苦戦した経験のある人のほうが、花開いたときに一気に成長する傾向がありますね。1つの成功体験によって自分に期待ができるようになり、そこからまた結果を出す良いサイクルが生まれていくのかもしれません。

塚本:苦しい思いをしてきた1人が花開くと、同じように苦しんでいるメンバーも勇気づけられます。周りにもポジティブな影響を与えてくれるんですよね。

小西:あと、マネージャーとしては、部下が成功したらただ褒めるだけでなく「今回、なぜ結果が出せたんだっけ?」という確認は必ずしますね。何かがうまくいったときって、偶然や運ばかりではなく、必ずそこには何かしらの理由があると思うんです。だからこそ、その成功を1回きりのものではなく、再現性のある自分の武器にしてほしい。

飯田:オープンハウスにはゴールデンウィーク期間に営業成績の順位を競う「ゴールデンウィーク賞」というものがあり、私は今年1位の賞をいただいたのですが、振り返ってみればこれも私がマネージャーランキングで表彰された翌月のことでした。

小西:そうそう。それこそ、まさに一度花開いて、勢いがついたいい例だと思います。

個性を活かしたマネジメントで、成功へ導いていく

オープンハウスには、入社1、2年でマネージャーにスピード昇格する社員もいれば、時間をかけて地道に結果を残していく人もいます。花開くタイミングは人それぞれであり、メンバーのキャリアをうまく導くのもマネジメント層の役割です。後編の記事では外部機関のデータを見ながら、最近の若手社員の傾向や、オープンハウスで活躍するために持っておいてほしいマインドについて3人に語っていただきます。