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事業を知る

「管理部門は会社を支えるプロでなくてはならない」業務の見える化やM&A成功の裏にある努力とは

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オープンハウスは主力である戸建て事業と同じように、他社との合併・買収を行うM&A事業にも力を入れています。その事業規模は年々拡大し、現在ではグループ全体の業績の4割を占めるほどに。今回は、オープンハウスの経営企画部に所属し、2023年の三栄建築設計(現・メルディア)のM&Aに携わった立澤さんにお話を聞きました。
(2024年1月に取材)

記事サマリー

  • コーポレート業務に従事する経営企画部で、見える化・仕組み化を担当
  • 三栄建築設計のM&Aに携わり、大きな成果と成長を得る
  • バックオフィスで培った情報処理能力でオープンハウスの成長を支える

この記事に登場する人

  • 立澤広夢

    2018年4月に新卒入社。営業職に配属後、半年で企画職へ異動。2022年より現在の経営企画本部 経営企画部に所属する。2023年の三栄建築設計へのM&Aに携わる。間接部門賞獲得。

開示業務の「見える化」の実績を買われ、M&A業務へ

―現在所属されている経営企画部は、どのような業務を行う部署なのでしょうか。

経営企画部は、オープンハウスのコーポレート業務に従事する部署です。米国開発事業におけるアメリカ不動産への投資や、サステナビリティに関する取り組みなどの業務がありますが、私が主に担当しているのは、出資を受けている株主や投資家に向けた情報開示(IR)で、他社の合併・買収(M&A)に関連する業務にも携わりました。

―立澤さんは2024年4月で在職6年目を迎えるそうですね。入社から現在までの遍歴を教えてください。

2018年4月に新卒で入社して、最初は戸建ての販売を担当する仲介営業を経験しました。そして入社から半年後に、当時の財務企画部に異動することになります。オープンハウスでは適材適所への配置替えが行われるケースがあり、私もそのうちの1人でした。

現在は組織の体制が変わり、経営管理部という部署名になりましたが、当時はその役割が「管理本部」の中に設置されていました。私が移動した財務企画部は財務経理部の中に組織されており、グループ全体の予算策定や業績管理、管理会計などを担っていました。約4年後の2022年に経営企画部が現在の形になり、そのタイミングで経営企画部に所属。IRやM&A事業に関わることになりました。

―立澤さんは、どのようなミッションや目標に向けて働いていますか。

経営企画部では、基本的には上司の采配のもと、一人ひとりに個別のミッションが与えられる体制になっています。経営企画部で私が最初に与えられたミッションは、IRにおける開示業務の属人化を防ぐために、業務内容の「見える化」や「仕組み化」を推進することです。

当時は特定の社員が開示業務を一手に任っており、その業務の多くが担当者の裁量に委ねられていました。いわゆる「業務の属人化」という状態ですが、これには担当者の不在などの際に誰もやり方がわからなくなってしまうという課題もあります。誰が担当しても会社が必要な情報開示を円滑に行えるよう、仕組みから構築する必要がありました。

そのための主な業務として、IRに関わる業務マニュアルの作成などを行ってきました。IR業務には、投資家との面談や開示情報の作成などがあります。面談自体はすでに上司や担当者で十分こなせていましたが、そこで使用する資料の作り方や、開示する情報の取り扱い方法などは体系化されていませんでした。担当者個人に依存していたそれらの業務を文字に起こして文書にまとめ、具体的な手順として残すという役割を担いました。
そして現在はM&A事業に関わる機会を得て、子会社となった企業の改善に向けた業務がミッションとして与えられています。

M&A事業に注力し、業績拡大とシナジーを目指す

―立澤さんは、三栄建築設計のM&Aに携わったとお聞きしました。

はい。2023年6月に、三栄建築設計をオープンハウスの完全子会社とするM&Aのプロジェクトが始まるなか、M&Aに携わるのは初めてだった私がメンバーに加わることになりました。

―オープンハウスは、主力の戸建て事業と同様に、M&A事業にも力を入れていると伺っています。その理由を教えてください。

簡単に言ってしまえば、M&Aによって企業規模を拡大し、オープンハウスグループ全体の業績向上を図るためです。オープンハウスの姿勢として、戸建て事業などの主力事業に加え、米国開発やM&Aといった新規事業にもチャンスがあれば積極的に取り組み、成長のタイミングを逃さないという意気込みを持って動いています。

また、M&Aによる他社とのシナジーにも期待しています。例えば、今回の三栄建築設計は、住宅の品質やデザイン性の高さに定評があります。販売力に大きな強みのあるオープンハウスと組むことで、三栄建築設計側は販売力向上、オープンハウス側は商品ラインナップの拡充など、お互いにメリットが生まれます。こうした相乗効果を得ることで、さらなる業績拡大を目指すことができるのです。

―三栄建築設計のM&Aを進めるうえで、苦労したことを教えてください。

今回のM&Aは、三栄建築設計の元社長の不祥事による経営立て直しの一環だったため、急ピッチで進める必要がありました。1カ月余りという極めて短いスケジュールで合意に達するため、スピーディーかつ柔軟な対応が求められました。そのうえ、私自身に「売上規模1,000億円以上の企業買収」といった大きな案件を動かした経験がなかったので、自分の役割を判断して動かなければならない緊張感が常にありましたね。

また、ゴールに設定した日に向けて、東京証券取引所や財務局、公正取引委員会などに提出する資料がいくつもありました。しかし、その資料の作成方法や、そもそも資料を作成するための情報収集方法がわからないなど、課題も山積みでした。それでもやらなければ進みませんから、専門家や関係者に意見を求めたり、自分でも可能な限り調べて回ったりして、がむしゃらに取り組んだのを覚えています。

こうしたタスクを短期間でやり切るために自分に課したのは、「後回しにせず、その場で解決する」ことです。これまでのように、自分の仕事を自分のペースで進めるというやり方では到底間に合わず、必要なアポイントをすぐに取ってその日に足を運んだり、少しでも違和感があったらその場でとことん確認したりと、すべてのことに集中して向き合いました。

―やりきったときの手応えは大きかったのでは?

実は、IRに携わっていた関係で、公開買付開始公告(M&Aを広く知らせるための情報開示)を開示するのも私の役割でした。今回のM&Aは投資家の関心も非常に高く、無事にWEB上で公開のボタンをクリックできたときは、やはり手応えがありました。

私に与えられた責務は、1つひとつは細かな事務作業ではあるものの、そのうちの1つでも遅れたら当日の開示時刻には間に合わないものでした。そうしたプレッシャーのなかで必死に食らいつきながら取り組んでこられたことは、大きな自信の獲得につながったと思います。

―三栄建築設計のM&Aを無事に終え、現在はどのような業務に携わっているのでしょうか。

現在は、オープンハウスの経営企画部に所属しながら、三栄建築設計に出向いて業績改善のための取り組みを進めています。三栄建築設計では、元々のトップが退任したことで、方向性を見失い組織から離れる人も出ています。こうした現状からの立て直しを図り、業績改善だけでなく従来以上の優れた組織を構築することが現在の目標です。私の目下の仕事は与えられた業務をひたすらにこなすだけですが、オープンハウスがこれまで培った経験や知見を最大限活用し、三栄建築設計の業績を大きく向上させたいと考えています。

具体的なアプローチとして、まずは業績管理やKPI管理の仕組化を進めています。三栄建築設計の従来の強みは残しつつ、オープンハウスグループで活用している管理手法を参考にして、正確な数字を経営者や上層部に報告する頻度を増やしていけば、無駄な業務を効率化しつつ、スピーディーな意思決定が可能になります。このアプローチが組織全体に浸透すれば、進展に向けた大きな一歩になるはずです。

人生を変えるために飛び込んだ、オープンハウスという実践場

―仲介営業、バックオフィス業務、M&A業務など、多様な角度からオープンハウスを見てきた立澤さんが考える、オープンハウスの「いいところ」を教えてください。

他責にせずに、主体性を持って仕事をする文化が浸透していることだと思います。

オープンハウスに入社する前の私は、もともとやる気や熱量を持っていたわけではなく、どちらかというと、面倒なことはサボりがちな性格でした。しかし「一生このまま過ごすのは嫌だ、自分を変えたい」という危機感から、あえて厳しい環境を求めて、若手から活躍し成長できるこの会社を選んだ経緯があります。

入社してみると、思ったとおり成長志向で、努力が当たり前の雰囲気でした。なかでも、上司から受けた「『自分が取り組んでいる仕事に関しては、どんなに素人で若手でも、世界一詳しくないとダメだ』というくらいの自責性・主体性を持て」というアドバイスは、今でも仕事の姿勢として生きています。

会社の売上に直結するのは主に営業職の働きであり、私たちのような管理部門の社員は会社を支えるポジションです。エクセルの入力ミス1つとっても、営業部門の社員と管理部門の社員のそれでは重みが違う。自分の仕事に誇りと責任を持ち、サボらずに精度を上げることが会社への貢献だと感じています。

―では、経営企画部にはどのような人材がマッチすると思いますか。

経営企画部は各自にミッションが与えられるため、主体性と責任感を持って仕事に従事できる人が適していると思います。

また、情報を正確に読み取ることを意識し、誤った情報を元に動かないことも非常に大事な視点です。IRやM&Aを取り扱ううえで、誤った情報で判断したり、誤った情報を伝えたりすることは絶対に避けなければなりません。他の誰かがその情報を見たときにもきちんと理解されるか、正しい情報を元に、正しいやり方で伝えられているかという意識を持てる人が、経営企画部にマッチするはずです。

―最後に、入社を希望する方に向けてメッセージをお願いします。

企業憲章に掲げられているとおり、やる気のある人を広く受け入れて、実力で評価される文化が根付いています。逆に言えば、成果が十分ではない場合は評価が得られないということですが、その際にはフォローしてくれる体制も整っています。

さらに、オープンハウスが積み上げてきた実績や資源があることも心強いです。ベンチャーの精神を大切にしながらも、実績や信用力に裏打ちされているというバランスはとても魅力的です。「頑張りたい」と考える人はぜひ、オープンハウスへの入社を視野に入れていただきたいですね。

頑張る意欲があれば、重要な役割を与えられるチャンスがある

「自分に何か特別な才能があったわけではなく、シンプルに目の前の業務を全うしてきただけ」と語る立澤さん。意欲があれば若手のうちから裁量を与えられ、活躍できる環境は、オープンハウスならではの強みです。そして会社の成長に伴い、より多様なバックグラウンドを持つ社員が集まるようになった現在でも、その文化は大事に受け継がれています。そんなオープンハウスで、あなたも新しい景色を見てみませんか?