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事業を知る

業績改善の鍵は「徹底力」。基本的なことを着実に積み上げれば、自ずと利益はついてくる

  • #ビジネス戦略
  • #営業職
  • #社員インタビュー

土地の仕入れを担う開発事業部に所属する山中悠平さんは、入社8年目に赤字物件ばかりだった埼玉エリアの事業所総括責任者に抜擢されました。自分なりの改善プランを実践して着実に業績を改善し、利益向上と事業部の強化に貢献している山中さんに、そのビジネス戦略や心構えについて聞きました。

記事サマリー

  • 開発事業部の責任者として、事業部のミッション達成と規模の拡大を目指す
  • 問題に対してやるべきことをきちんと行えば、業績改善は不可能ではない
  • 成長中の企業だからこそ、会社と一緒に自分が成長する未来を描くことができる

この記事に登場する人

  • 部長

    山中 悠平

    2014年4月に新卒入社。営業本部を経験後、2015年10月に開発事業部に異動。その後、最短で昇格を果たし、2021年7月に埼玉エリアの事業所総括責任者に着任。赤字だった業績の劇的改善を成功させる。

オープンハウス全体の売り上げの3割を担う責任感

―はじめに、開発事業部はどのような業務を担当する部署なのか教えてください。

開発事業部は、主に土地の仕入れを担当しています。そして仕入れた土地に建てる物件の企画、価格設定など、戸建てが完成するまでの多くの工程に関わっています。年間売り上げ目標は3150億円で、これは会社全体の売り上げの約3割に相当する大きな金額です。どの部署もそうだと思いますが、オープンハウスの一翼を担う責任を感じながら業務にあたっています。

―開発事業部の中で、山中さんはどのような役職に就いているのでしょうか。

私は埼玉エリアの責任者を務めています。主な業務は、部下が訪問先から得た土地情報や物件情報へのアドバイス、それを元に立てた企画に対する最終的な意思決定、コスト面の判断などです。また、部下20人の業務指示のほか、育成の一環として営業サポートに同行したり、自ら営業にも行ったりもしています。

赤字エリアの利益改善という使命を受け、総括責任者に

―新卒で入社し、在職10年目を迎える山中さん。入社から現職に就くまでの経緯を教えてください。

特に不動産業界に強い希望はありませんでしたが、漠然と「この会社でトップをとり、大きな事業を任せてもらえるようになったら、仕事ができる大人に成長できるかな」と考え、入社を決めました。最初は営業本部に配属され、住宅販売の営業を約1年半経験しましたが、営業成績は中程度で、正直なところあまり成果を出すことができませんでした。

転機は、2年目の10月に人事異動によって開発事業部に異動し、東京都の城北地区の仕入れ営業の担当になったことです。その時の上司がトップにこだわる人だったことに影響され、私もいかに数字をとるかを考えて行動できるようになり、次第に営業のトップを獲得する回数も増えました。

その後はマネージャー、グループリーダーと順調に昇進し、6年目の7月、事業部内最短のスピードで東京エリアの統括責任者として約60人のリーダーに任命されました。当時は、東京エリアを2部に分けて管理していて、私は2年間にわたり、東京2部の統括責任者を務めました。そして、8年目7月に現職である埼玉エリアの統括責任者に任命され、現在まで約2年半が経ちます。

―当時、埼玉エリアの業績があまり良くなかったそうですが、山中さんが責任者に抜擢されたのはどういった経緯だったのでしょうか。また、そのときの心境はいかがでしたか。

当時の埼玉エリアは多くの赤字物件を抱え、エリア全体の業績が低迷していました。会社としても、たびたび責任者を入れ替えながら対処するものの、あまり状況は好転しないなかで、私の着任が決まりました。

自分が埼玉県の川口市出身だということもあり、東京2部を担当していたときから隣の埼玉エリアの状況は以前から気にしていました。客観的な視点で見ていたときから「もっと良くなる」という確信は持っていたので、業績改善のためにできることをとにかく実践するのみかなと。とはいえ、私の先輩たちがすでに責任者になった後、7番目の着任だったので、自分が本当に事業を立て直せるのかという緊張もあって、最初は結構ドキドキしましたね。しかし、地元が埼玉県の川口なので土地勘をなんとなく掴んでいたのと、埼玉エリアで進めるべき施策を10個ほど考えていたことで、試す価値は十分に感じていました。業績が悪い時や利益が上がらない時には必ず一定の理由があります。時間はかかるかもしれませんが、やるべきことをきちんと行えば業績改善は不可能ではないと考えていました。

社内と社外、両軸の戦略を立てることで赤字脱却

―当時の埼玉エリアの問題はどのようなところにあったのでしょうか。

改善するべき問題は、大きく分けて社内と社外の2つあると考えました。まず社内に関して言えば、埼玉エリアのメンバーはトップをとった経験がなく、目標達成にも届かないという、いわば「スタンダードが低い組織」だったんです。本来はもっとやれる可能性があるのに何かと理由をつけてやらずにいたり、目標に向けた姿勢が作れずにいたりしたことがそもそもの課題でした。

着任後、最初に取り掛かったのは、具体的な目標数値を設定し、確実に達成するという意志を示すことでした。それまでの仕入れ実績は月に30〜40件ほどでしたが、エリアの規模を考えれば圧倒的に足りていませんし、土地が仕入れられなければ物件を建てることができず、赤字解消できません。そこで、まずは「1カ月で100棟を仕入れる」という目標を宣言しました。

―約3倍の目標値になると、業務量も大きく変わると思いますが、部下からの反発はありませんでしたか。

直接言われたわけではありませんが、最初は「絶対無理です」といった雰囲気が漂っていました。今までの業績から無理だと思う気持ちもわかりますが、そこは「いや、できるよ」って言い続けたんです。上司が「トップをとる」という強い意志を持ち、「1位を目指すのが当たり前」という雰囲気を浸透させること、私自身が営業成績を見せることも意識しました。私の姿勢や営業成績を見て、「達成できる目標かもしれない」とわかると、部下たちも自然についてきてくれるようになりました。

実際、私が埼玉エリアに異動した初月に、営業成績の前年比で約400%に上る過去最高の仕入れ数を達成したんです。前年までの業績が芳しくないだけで、エリアとしては十分達成できる数字だと思っていましたから、無理ではないと断言できました。根は真面目でやる気のある人材ばかりなので、一度やる気に火がつけば、次第に100棟を達成するためのアイデアを自分たちで模索し、各々がトップ争いをし始めます。最初の数カ月で、雰囲気が大きく変わりましたね。

―社内改善の一方で、社外の改善とは、どのようなものだったのでしょうか。

社外、特に仲介業者さんに対しては、埼玉エリアでオープンハウスが扱う物件を増やして占有率を上げることが対策として考えられました。私たち仕入れ営業担当は、不動産の仲介業者さんを訪問し、売りに出ている土地の情報を収集して買いたい土地の金額交渉を行います。その中で、誰もが住みたいと思うような場所の土地を、たとえ競合他社よりも高い金額だったとしても買い占めることで、良い場所の土地情報が当社に集まってくる環境を作りました。このように、売れる物件を仕入れることができれば、確実に利益が上がると判断したんです。

ただし、急に埼玉県全域を対象にするのは難しいため、JR京浜東北線の川口から大宮、JR埼京線の戸田公園から大宮までの各駅から15分圏内にエリアを絞り、最初の1年で占有率15%を目指すことにしました。15分圏内の土地を積極的に仕入れ、「駅に近い土地・物件はオープンハウスが強い」と印象づけることで、仲介業者さんもオープンハウスへの情報提供に協力的になってくれます。

―どれくらいの期間で業績改善の成果が出てきましたか。

着任してから3カ月目で「月100棟の仕入れ」を達成しました。占有率に関しては、まずは土地を仕入れて在庫を増やし、次に宅地として販売するという2つの工程を踏むため、成果が出るまでに時間がかかりましたが、変化が見え始めたのは9カ月目頃ですね。

同時に、埼玉エリアでオープンハウスの存在が大きくなるにつれて、取引先にオープンハウスの仕入れの特徴などを認識してもらえるようになります。駅から15分圏内の不動産情報について情報提供してもらいやすい関係性も築けていきました。そのため2年目以降は、1年目よりも営業しやすい環境になったと感じています。現在は、1カ月に平均80棟の仕入れを維持できるようになりました。

高い占有率が裏付ける、オープンハウスの戸建事業の強みとは

―先ほど占有率の話が出てきましたが、オープンハウスの戸建事業の強みとして、高いマーケット占有率が考えられると思います。具体的にどれくらいの実績なのでしょうか。

オープンハウスが戸建事業を展開している地域では、基本的に10〜15%以上の占有率を保っていると思います。最も占有率が高いのは東京都江東区で、30%を超えていますね。この高いマーケット占有率を支えているのが、土地の仕入れから建設、販売までを自社で一気通貫して行う「製販一体」という仕組みです。

開発事業部には、土地や物件の情報量をとにかく多く収集することが求められます。「1日に最低でも3件は情報を集めよう」という目標を徹底し続けることで、占有率アップに貢献しています。

―多くの不動産情報を集めるために、どのような戦略を立てているのでしょうか。

私たちの営業方法に何かすごい秘訣があるわけでなく、とにかくコツコツと1件ずつ情報を増やすだけです。強いて言えば、営業の基本的なことを全営業マンが徹底するという「徹底力」でしょうか。

ただし、不動産情報を持っている業者さんは、他の不動産会社からもアプローチを受けているはずです。その中で、オープンハウスが他社より一歩前に出るためのコツは、礼儀正しさや元気の良さ、直接会いに行くことで生まれる信頼関係だと考えています。オープンハウスの仕入れ営業マンは、他の不動産会社の仕入れ営業マンよりも圧倒的に若いので、その若さを生かして元気に挨拶し、業者さんに可愛がってもらうところも戦略といえるかもしれません。

―山中さんご自身は、営業スキルをどのように身につけたのでしょうか?

私も特別なことはしてきていませんが、何度も業者さんに直接会いに行き、信頼関係を築くことを重視しています。もちろん、コミュニケーションや交渉などにコツはありますが、直接対話することで情報提供に至った経験を何度もしてきました。「山中さんだから情報を教えるよ」と言ってくださる方もいて、そういった信頼関係で成り立つお得意さまがいることが営業マンの価値につながると考えています。

会社の成長過程で直面する課題に切り込むのが自分の役割

―開発事業部の中で大きな実績を残している山中さんが、次に目指すのはどんなことでしょうか。

私は、会社が抱えている「うまくいっていない部分」に果敢に切り込んでいく人材でありたいと考えています。社長の荒井はオープンハウスを日本一の不動産会社にすることを目指して、日本だけでなく海外への事業拡大の展望を示していますが、そうなった時に発生する課題にも、率先して取り組んでいきたいです。

オープンハウスは、戸建事業の成功があってこそ他の事業に投資できるビジネスモデルでもあるので、事業拡大のためにもまずは開発事業部全体の売り上げを拡大させることが不可欠だと考えています。現在の埼玉エリアの売り上げ目標は330億円ですが、オープンハウスが日本一の不動産会社に成長する未来を見据えたとき、埼玉エリアの売り上げは軽く1,000億円に達するようなエリアに変えていく必要があります。そのためには、目先の売り上げ目標である330億円を達成して、着実に次のステップへつなげるのが私の今の仕事だと考えています。

―部下を束ねる責任者として、課題を感じていることはありますか。

個人の課題としては、若手の育成にもっと注力する必要があると思っています。責任者の役職も私がずっと勤めるのではなく、若手メンバーが成長し、新たなリーダーが台頭して私のポジションを奪っていくような構図ができるのが望ましいですね。

―山中さんが部下を指導する際に心がけていることは何ですか。

基本的には、その人がギリギリこなせるスキル感の業務を任せるようにしています。そのためにも、個人の向き不向きや能力を見極めるセンスや、本人の目指す姿に近づけるよう考慮する姿勢が私に求められている気がします。あとは日々、小さいことでも部下の意見を汲み取り、承認してあげることでしょうか。相手が自分の意見を尊重してくれる環境であれば、自発的に仕事に取り組む姿勢が生まれやすいものです。

オープンハウスとは、何者でもない人間が何者かになれる場所

―山中さんが考える、オープンハウスの「いいところ」を教えてください。

会社が成長しているところが1番の魅力だと感じています。会社とともに自分自身も成長するビジョンを持って、明るい未来を見せてくれますし、若手でもどんどん挑戦させてくれます。私も不動産業界では経歴10年と若手の1人ですが、それでも責任あるポジションを任せてもらえるのは、会社の成長があってこそだと思っています。

―では、開発事業部にはどのような人材がマッチすると思いますか。

開発事業部には、真面目に目標を持って仕事に取り組める人に適性があるのではないでしょうか。特に仕入れ営業は、物件販売の営業とは違い、会社以外では単独で行動する時間が多いので、1人でもコツコツと頑張れる人が求められます。どの部署でも、オープンハウスの社員は素直でやる気に満ち、前向きな人が多いですね。

―最後に、入社を希望する方に向けてメッセージをお願いします。

私は学歴も大学時代の活動も、何も自慢できるようなことがありませんでしたが、そんな 何者でもない人が何者かになれる場所がオープンハウスだと考えています。年齢や性別などに関係なく、まさに成果主義なので、結果を出せば必ず活躍できます。

就活のタイミングは、自分の人生について悩み、スタート地点を決める機会でもあるかもしれません。「人生を良くしたい」とか「仕事で稼げるようになりたい」とか、成長に前向きなマインドを持っている人にとって、オープンハウスは挑戦しがいのある会社だと思います。

結果を出したぶんだけ自分と会社の成長として返ってくる

強い課題意識を持ち、根本的な問題に目を向けて、戦略を練る山中さん。その視線の先には事業部だけでなく、日本一の不動産会社になるというオープンハウスの未来像がありました。どんな仕事でも個人の頑張って出した結果が会社の成長に寄与する、そんなふうに会社への貢献をダイレクトに感じながら働けるのもオープンハウスならではの魅力です。