運動部出身でも体育会系でもない。大学の文学部で美術史を学んできた井手は、社員を前に大声で目標を語る。「結果が全てだということが、私にめちゃくちゃハマっています!それがプレッシャーに なることもありますが、面白みでもあると思っています!」これはオープンハウスの朝礼の風景だ。全社員で声を出し、気合い入れをする。社外の者が見れば、一歩引いてしまうほどの熱量だが、この声出しが、その日1日のやる気を引き出してくれると井手は言う。「朝からモチベーションが上がるんですよ。静かな気持ちで営業に行くより、明るい顔で来る人に情報って集まると思うんですよね」。
180度の転身だった。大学卒業後、“せり”の熱気に魅力を感じた井手は、築地の男性社会に飛び込んだ。営業職から経験を積み、せり人としてスタートを切るも、体力的な負担の大きさや、女性に任せられる仕事があまりにも限られてしまっていたこともあり、豊洲移転をきっかけに転職を決意。転職フェアに参加した井手は、あらゆる業界が集まる会場の中で、ひときわ活気立っているオープンハウスのブースに惹きつけられた。話を聞くと、オープンハウスの中途社員は、異業種からの転職で活躍する人が多いという。出会った先輩社員も、前職はバーテンダーや消防士。しかし、前職で抱いた不安がよぎった。「女性でも活躍できるのか?未来はあるのか?」そんな質問にオープンハウスの社員はこう答えた。「オープンハウスでは、女性であるとか、男性であるとか、中途、新卒、そういうことは当社では関係ありません。結果を出せば、誰でも評価されます」。その言葉に、井手の気持ちは固まったのだった。
入社後、不動産のプロと対峙していく、開発事業部へ配属。そして、井手はわずか1年で主任となる。スピーディーな出世に思えるが、初めから上手くいったわけではない。入社後数ヶ月は契約件数ゼロが続いたのだ。「基本的には業者や不動産会社から戸建用地を仕入れる仕事になります。中途で入ったら、最初は研修生として業務が始まるのですが
、周りの社員は明るく元気でどんどん進めていく人が多い。でも私はコツコツ慎重にやりたいタイプ」。そんな井手の働き方は結果を出すのにも時間がかかった。しかし、井手の働き方を見ていてくれた上司は「そのままでいい。考え方は合っているから、その働き方を続けろ」という助言をくれたのだった。自信を失っていた井手も、「自分自身のことは信じられなくなっていたけど、契約を取ったことがある上司の言葉なら信じられる」と、それまでの働き方を変えることをしなかった。そして“継続は力なり”というが、その言葉通り、それまでの井手の働き方が実を結び、6ヶ月連続契約という成果を成し遂げた。「“コツコツ慎重に”という働き方は、社会人になってからずっと大事にしてきたこと。それが、この会社でも認めてもらえたことは、とても嬉しかったです。何より的確な声がけをしてくれる、先輩や上司がいる環境が良いことだと思っています」。オープンハウスという会社の人間関係を、井手は笑顔でそう語る。
転職フェアで説明を受けた通り、営業職に求められるのは数字。「同じ部署の者は、業務内容が、全員一緒なんですよ。だから、切磋琢磨する相手も全員。わかりやすいですよね。自分と何が違うのか。どれだけ相手の方がすごいのか。とても比較がしやすいし、全員がよきライバルなんです。同時に営業部全体がチーム一丸となって、フォローしあえる環境でもあります」。もちろん、結果は明確に役職や給与に反映される。そういった環境が、会社の成長にも繋がっているのではないかと井手は語る。「日々、いろんなことを覚えようと思うし、学ぼうとする。今日はこうだった、明日はこうしようと、常に前向きに思うことができます」。今後の目標は27歳のうちに係長に上がること。誰にでも挑戦できる機会が与えられている場所だからこそ、自分次第でどんどん成長できる環境に、井手は大きなやりがいを感じている。